よみがえる生命
よみがえる生命
向坊さんは東大時代、車で帰省の際、自宅から500mのところで転落事故、首の骨を折られ頸椎損傷となってしまいました。
絶望感に浸っていた中、ある仏教の本からめざめ、その後の人生を社会福祉や自然保護に尽力されてこられました。
ネパールでの宿泊施設建設に向けた活動は、健常者の私たちも頭が下がるばかり、さらにほとんど動けない中、13時間もかけてブラジルで講演をなされたりする活動的な姿には驚かされます。
さて私にも彼と同じ歳の頃に事故に遭い、現在も首から下は動かない友人がいます。
同じ境遇の彼にとって少しでも慰めにでもなれば、という浅はかな理由で中古本を購入、今週末に彼に会って渡す予定にしていたので、急いで読みました。
自分の不遇からはじまり、ネパールやブラジルへの旅行記、最後には彼が深く学ばれた親鸞聖人について説かれていました。
1冊の本の中でこれだけの内容のことが書いてあるから、さぞや中身は薄いのでは、と思われるかもしれませんが、それは読み手側の読み方が浅いから。
2度、3度読むうちに、彼が深い思いから内容をまとめたことが伝わってきます。仏教の中で、還相回向という言葉がありますが、本を読むうちに、向坊さんの言葉が阿弥陀の様のように深くつつんでくれ、導いてくださるように感じました。
さて現代において宗教はどのように考えられているでしょうか?
うさん臭いもの?、幸福をお願いするためのもの?
と考えるかもしれません。また、方向感を若干見失った戦後教育によって、成功することが正しいことのように子供の頃から洗脳されてきました。
社会的に上をめざすことは正しいことだと思います。親鸞聖人も、人は欲は断ち切ることができないものと言われています。
ただ、現代はあまりにも自分の利益にこだわりすぎているのではないか? 深く、自分を、社会を見直さなければならないのではないか?
と感じます。私の宗派は浄土真宗ではないのですが、この本を読むことで、現代の不況で困っている状況もある意味では、見えないもののお陰なのかもしれない、と考えるようになりました。
高い視野から日々の生活を眺めること。これに気付くことが大切と思います。