般若心経入門
臨済宗龍源寺前住職の禅僧、松原泰道さんが29日に亡くなられました。この方の名前を新聞で拝見した時、すぐに般若心経の方だ、とピンときました。
私が著者の「般若心経入門」を購入したのは、約18年前。バブル絶頂期の頃で、当時営業職だった私は、ノルマに追われていました。
ノルマに追われて精神状態が錯乱していたためか、お経を読めば願っていることが叶うかもしれない、と思い、本屋の実用書コーナーに立ち寄ったところ、この本と目が会い(?)、ついつい買ってしまいました。
朝の通勤の時、駅までの徒歩5分間教典の深い意味など全くわからず、般若心経を唱えていました。その頃は若さ故のバイタリティがあったためか、仕事面では営業のノルマをこなすことができ、同期が羨むような栄転を図ることができました。
その後、順調に人生を送ることができ、般若心経のことを忘れていたのですが、節目で何度となく悲しい出来事や辛い出来事がおき、その度ごとに、松原先生の「般若心経入門」を引っ張り出し読んでいました。
するとどうでしょう。
若いころはお経を読むことに専念していたのですが、本文の中身に共感を覚えるようになってきたのです。若い頃は「どうせ、世間知らずの坊さんに、人の苦しみなぞ何が解る」とさえ思っていたのですが、私たち凡人が道を外しそうになったとき、軌道修正してくれるお経であり、師であるのだと。
さて、長い不況の中で、人、とくに経営に携わる方の心は行く先を見失っていると思います。
お経を読むことで、売上げが上がり、借金が返せるとは思いません。(私の若い頃にノルマがこなせたのは、お経とは違う理由と思います。)
寧ろ辛い状況を素直に受け止めるために、読むものだと思います。
さて、私の購入した本は、祥伝社NON BOOKです。私と同じ年代の方ならこのブックカバーはおなじみだと思います。当時、どこの本屋でも祥伝社NON BOOKコーナーがあって、よく立ち寄ったものです。今は読みやすさを重視しすぎて、文字も大きさや行間にこだわる本が多くなってきたのですが、小さな文字でぎっしり内容が詰まっているこのような本は、著書の考えが伝わりやすく有り難いです。
最後になりましたが、松原先生のご冥福をお祈り申し上げます。 合掌