法案成立後の行く末
最近、モラトリアム法案が話題を呼んでいます。
今の段階では、中小企業向け融資や個人向け住宅ローンの返済を猶予するもの。なんだか虫のいい法案です。
例えばこんな例、公共事業で潤っていた工事業者が、工事打ち切りで借り入れの返済不能になった場合、モラトリアム法案は適用されるのでしょうか?猶予期間中に新しい仕事にシフトできる可能性があるかもしれません。ただ一般的には、楽になった資金繰りに安心してしまうだけなのではないでしょうか?また、猶予している企業が、新規事業を立ち上げたいので金を借りたい、と言ってきた場合、誰がお金を出すでしょうか?
例えば、知人に半年後を条件に100万円貸したところ、3年待ってほしい、と言われ、その挙げ句に絶対儲かる株の情報を得たから更に50万円貸してほしい、と言われたら50万円貸します??先に100万円返してくれ、と言いたくなりません??
私の会社、昨年は「金を借りてくれ」としきりに言ってきた銀行が全く来なくなりました。そう言った場合、銀行は冷たい、と言いたくなるのですが、実はその後ろに国の思惑が働いています。中小企業向け融資の場合、信用保証協会が保証するのですが、自由に使える枠が以前に小さくなっているためと思われます。
テレビを見ていると評論家が「銀行も、土地を担保にするだけじゃなく企業の将来性を調査してほしい。」といいます。現場を知らない人間の発言です。企業の新商品が半年で廃れるこの時代、誰が5年後10年後の中小企業の未来図など描けるでしょうか・・・?今や経済は右肩上がりじゃないんです!
むしろ保証枠を広げ、保証協会自体の審査の目を厳しくすること。これなら理にかなっていると思います。
返済不履行になった場合、保証協会枠付き融資の場合はいずれ国が面倒みなくならなければならないから、と言われるかもしれません。だったら「モラトリアム法案」って一体何なの?って言いたくなります。
今、企業や企業経営者にとって求められているのは、更に縮小する経済の中、変化に対する対応力であり、バブルの再来を期待することではないと思います。
ただこのモラトリアム法案が有効な場合があります。3年間にインフレになる場合です。借金の価値が目減りすることより返済は楽になると思います。ただ、今以上に景気が冷え込む危険性も孕んでいますが・・・。
実は私、昔は貸し手、今は借り手の立場で働いていた(いる)身なので、法案が成立されることで世の中がどうなるか推測できます。この法案成立後の経済の行く末は、企業の業績の行く末を予想することより簡単なことです。