朝青龍引退と古事記
古来、日本人は、大きいものや尖ったものを神としました。国技相撲において最高位の横綱は、神の依代とも考えていました。
さて今回、朝青龍が引退いたしました。横綱は徳性を具象化するものであるから暴力沙汰は問題かもしれません。
古事記にも、スサノオノミコトという乱暴者の神がいました。
姉の天照大神(アマテラスオオミカミ)は、弟の乱暴に腹を立て天岩戸に。スサノオノミコトは高天原から追放されました。この解釈からいけば、追放されるより、自ら引退を決意したのは、むしろ評価が高いでしょう。
ただ、天岩戸に値する国レベルの制裁ってのがなかったのが残念な気がします。極論をいえば、ごたごたが解決するまで場所を開かないで痛みを感じる、とか。
今回の騒動は、ベースに「金ありき」の問題が絡んできていると思います。相撲をビジネスとしてしまったために、いろいろな矛盾点を孕んだのだと思います。朝青龍は、ビジネスと日本の国技のしきたりとのギャップに板挟みとなった被害者ではないのか、と思います。
新聞に、脚本家で元横綱審議委員の内館牧子さんのコメントが掲載されていました。この方については賛否両論さまざまですが、このコメントは厳しさの中に母のような優しさがにじみ出ているのではないか、と感じました。
信念を持った強いお言葉です。
さて、古事記では、高天原を追放されたスサノオノミコトは、改心し八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治するなど、いろいろな善行を行ないました。内館さんの言葉が、どれだけ朝青龍に届くのか、今後の活動が注目されます。
写真の色紙は、近所にNHK名古屋に勤めておられる方からいただいたもの。大切にしまってあったのですが、今朝しみじみと眺めながら、宗教学を学ばれた内館牧子さんを思いつつ、日本とは? 神話とは? と考えてしまいました。
