スーパーでレジ袋が有料化になって以来、レジを済ませた後、別カウンターで袋詰め作業をしなければなならくなりました。会社の前にあるスーパーでは、このカウンターにいろんなチラシが置いてあります。
プロレスや演歌歌手のチケットや、自社スーパーの広告が多いのですが、最近、家庭教師のパンフレットが大量に置かれているのに気付きました。自社発売の土用うなぎのチラシより目立つように置いてあります。
興味を持ったので一部ずついただいてきました。
チラシの一つは「家庭教師の富山せんせい」。もう一つは「家庭教師のグッド」。いずれもA5サイズで、専用スタンドに入れられスーパーカウンターではチラシが立つように置かれていました。
前者はアート系8ページ、後者は上質系16ページ。二つ仲良く並べておいてあるので、兄弟会社かな、とも思ったのですが、製本のホチキス止めの仕方が違うことより印刷会社が違うよう。兄弟会社なら同じ印刷会社に任せるはずなので、どうやらライバル会社のようです。
この時期、新聞に家庭教師や塾の折込が入ってきます。授業についていけなくなるのがこの時期。親とすれば金で解決できるならば、と財布の紐も緩くなる時期ともいえます。有名な家庭教師派遣会社や塾の場合、イメージ戦略で生徒を集めることができるのですが、それほど広告をかけられないところは、逆に大手がやらないような戦略をとるしかありません。
このパンフレットの2社、まずは小冊子にすることで豪華さを演出しているのが凄いところだ、と思います。A5の8ページは伸ばすとA3裏表、16ページは伸ばすとA2裏表。大手が出しているチラシサイズと面積ではそれほど変わらないのですが、小冊子にすることでお得感を持ってもらえるもの、と思います。
さらに言えば、このパンフレットは販促の基本をきっちり押さえていると思います。安心感を与えるQ&Aコーナー。
企業側に「よくある質問」なんてのを作らせると、自分たちに都合のよいような質問しか載せません。お客様が本当に知りたいのは、本音や裏話の部分。これら2つのパンフはその部分が押さえてあるので、安心感を与えます。
最近、広告を見る側としては、お金を払う前まではシンプルな情報を、そしていざ、お金を払う直前の段階ではより詳しい情報を欲しがる傾向にあります。違う表現でいえば「本物志向」。そこには、イメージだけで買わないぞ、という決意にも似たものを感じさせます。
このパンフレットには、そういった消費者の痒いところに手が届く内容が随所にみられます。そして私自身も今どきのマーケティングのエッセンスを教わったような気がします。