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動的平衡と心の生態系

動的平衡

こころの生態系―日本と日本人、再生の条件
河合 隼雄 (著), 中沢 新一 (著), 小林 康夫 (著), 田坂 広志 (著)

生物学者の福岡伸一先生が説かれたシステムに「動的平衡」というのがあります。均衡状態というのは、あたかも天秤のように止まってバランスのとれているような状態を想像するのですが、動的平衡とは、動きつつもそのバランスが取れている状態。

例えば、人間。大人になると、食べても、ある程度一定の体重を維持するのは、食物が人の細胞に変わり、古い細胞が役目を終え排出されることでバランスが取れているのであります。また植物が枯れないで育てっているのも、土や水や、受粉してくれる生物のお陰で成り立つというもの。バランスの上に、生物は生命をいただいているのだろう、といえます。

さて、今回読んだ「こころの生態系」。タイトルに使われている「生態系」とは、環境という閉じられた系のことをいいます。系の中でバランスをとることで生態系は成り立つのですが、これは正に前述の「動的平衡」と同じことを指しているのだろう、と思います。

世の中を生態系で見る

世の中が拡大局面にある時。強いリーダーが必要。しかもトップダウン方式のヒエラルヒーが有効となります。高度成長期に求められたのは、強いリーダーとその指導力。リーダーシップとはあまりにも美化された言葉であり、基本的には「従わないヤツは切るぞ」といった手法で、会社は数字を上げ、拡大を続けてきました。

ただ、経済が飽和状態になった今。状況は一転しました。市場占有率を高めようとすると、ダンピングしなければならない。ダンピングをすると儲からなくなる、といった具合。ダウンサイジングすれば、それまでにこしらえた借金が背中に重くのしかかり、撤退することもできない。

これが今の日本、そして会社の姿なのだろう、と思います。

ちょっと前は「オペレーション」、すなわち操作だけで、全てがコントロールできた。人のこころまで「オペーレーション」することができる、と思ったのは実はつい最近。「金があれば何でも買える」と言った若者がカリスマ的存在になった背景には、世の中全てが単純な構造、すなわちお金で書き表せ、操作することができるもの、とその親を含め、全ての人が思ったからだ、と思います。

日本国内は動的平衡がとれているので、海外へ販売の矛先を向けたのがグローバル化。聞こえはいいのですが、見方を変えれば、自分から見て、動的平衡がとれていない状態を動的平衡状態にするための活動なのだろう、と思います。

その状態が動的平衡であるならば、活動の手法も動的平衡、すわなち生態系を意識したものでなければならない、といった内容なのがこの本。

市場での「強さ」を求めて企業が単一の価値で結束していくと市場の進化に適合して企業が自ら進化させていく力が弱くなる。

会社のスローガンを立てると、それに縛られて身動きが取りづらくなるし、市場もそのスローガンを受け入れてくれなくなる。

ちょっと前の日本の家電産業がこのような状態だったのだろう、と思います。

自らの「弱さ」を自覚している企業は、謙虚に自らを変え、市場の進化に適応していくことができる。

今は、おそらく生態系を意識した経営、さらには経営手法が必要となる時代なのでしょう。

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