なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則 単行本
日経トップリーダー (編集), 帝国データバンク (その他), 東京商工リサーチ (その他)
倒産に追い込まれた中小企業23社について、なぜ破綻に追い込まれたか書かれた本。23社とは別に倒産社長の告白がコラムで載せられているのですが、どちらかといえばこちらの方が生々しく、ためになります。
学校の歴史の授業のように客観的な事実を知ることよりも、落ちていく道を選ぶしかなかった心情を読む方が学び取ることは大きいからです。
倒産について
といった3つのカテゴリーに分類し倒産企業の分析をしています。中小企業の中でも比較的規模の大きい会社のため、売上等の数字は大きいのですが、逆に数字が大きい分、費用等で出ていく数字もデカく、うまくいかなくなった時の舵取りの困難さがうかがえます。
本の構成では、扉の部分を黒ベタにすることで衝撃的な効果をねらっています。夜、一人で読んでいると、怖くなってきます。
著書の中でぐっと引きつけらえた言葉がこちら。
成功はアートだが、失敗はサイエンス
成功は法則など全くない上に偶然に左右されたりするのですが、失敗は説明が可能、というもの。有名な方の名言かとも思いネットを検索してみたのですが特に出てこないところを見ると、おそらく編集された方が作られた言葉なのでしょう。
だれも成功を夢見るのですが、どこかで歯車が狂い、その歯車を肯定しよう、と思えば思うほど成功からかけ離れていく。狂った歯車を正すことの現象ならびに因果関係がサイエンスなんだと思います。
著書の23社の事例はこういったサイエンスの見地から書かれています。これらの倒産企業と同じことをして一発逆転する成功例は数々あると思います。
綱渡りだがたまたまうまくいった。運で片付けられそうな部分なのですが、戦略だけでは説明しきれないところをアートと象徴づけているのでしょう。