ホームページ復活 眠っているホームページを甦らせる「7つの法則」
菅谷 憲司
2009年第一刷なので約10年前の本。図書館に置いてあったのですが、タイトルがなかなか衝撃的だったので借りてみました/p>
この10年の間、WEB2.0の浸透で動的ホームページが急増し、実践編のあたりはどうしても古さを感じてしまうのですが、マーケティングの本質の部分は、10年後の今読んでも新鮮に感じます。
おそらく、マーケティング本が乱立したことで、本質部分よりも結果が目に見える実践編に力を入れる本が多くなってきたためでしょう。
ホームページの役割について考える前に、まずマーケティングについて考えることを勧めます。
マーケティングとは買いたいと思っている人を集めるしかけとしくみ
ホームページでの販促というと、ネット販売でいくら儲かるか、にばかり注目がいくのですが、ネット通販で儲かるのは大手をはじめとしたほんの一握りだけ。インターネットは世界につながっているから、といって単にホームページを立ち上げたところで注文がくるほど甘くはありません。
私自身、社会人になってから30年間余り、いろいろな会社を見てきたのですが、うまく回っている企業の経営者に共通していることがあります。
それは自分本位で仕事を考えないこと。例えば、この技術があれば絶対うまくいく、とか、儲けてやろう、などといった自分本位で考えると決まってうまくいきません。
技術革新についていかなければならないのは当然ですし、売上目標を立てそれに向かって一丸となるのは当然なのですが、それと同時にお客様のことを考えるようにしなければならないのです。
と書くと、お客様のことを思ってこの商品を進めよう、と思う人がいるかもしれません。しかしこの考えではもちろんうまくはいきません。この考え、モロ、自分本位ですもんね。
お客様目線で考える、というのは、まず自分の視点を引き上げること。「売り手ー買い手」といった狭い関係がビジネスの全てだと思っていると、損しちゃいけない、お金を引き出してやろう、といったせせこましい発想しか浮かびません。
また、お客様のために何かしたくても、お金がない、とか、立地条件が悪い、といった現状に不満をもつ人もいます。不満をもつことは自分をなぐさめることに他なりません。
そうでなく今自分がもっているものでいかにお客さんに満足してもらえるか、を真剣に考え始めたとき。仕事がうまく回り始めるようになってきます。そこで初めて商売の面白さがわかり、社会に参加している実感がわき、それによって自信がつき、何をやってもうまくいく、というプラス作用が働くようになってくるのです。
「ホームページ復活」のあとがきには、著者が読者に一番届けたいメッセージが書かれています。この本を購入する人は実践的なことを求めているのでおそらく伝わらないでしょうが、マーケティングの基本姿勢はこれだと思います。
ビジネス成功の鍵は、ホームページでどうこう、メールやブログの書き方がどうこうということではなく、どれだけお客様を愛することができるかにかかっていると思います。
お客様を愛していますか?お客様に感謝していますか?
ビジネスツールが変わっても、人がやっている分野がAIに変わっても、この部分を理解し自分のものにしないと、何をやってもなかなかうまくいかないのです。