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先日、プログラミング教室に参加してきました。
2020年より小学校ではプログラミングが必修になるそうで、富山市の学校でも先生向けの講習をされているそうです。
芝園、堀川、鵜坂の三校がまずはモデル校となって授業の進め方などを検討されているそうなのですが、今回の教室は鵜坂小学校でプログラミングを教えておられる方が講師、アシスタントとして高専の学生さんたちが加わってくださいました。
プログラミングといっても、文法を習得するものではなく、自分自身で問題を見つけて解決することが本来の目的とのこと。
知識を一方的に与えるのではなく、考えることが主体で、学校の先生方もどう進めていいのかわからない、と試行錯誤だ、とのことでした。
研修では、パソコン1台とレゴのマインストームを使用しました。これだけ揃えるのも約6万円かかるそうなのですが、パソコンの授業は一人一台与えないといけないので、金銭面でも大変だ、とおっしゃっておられました。
最初の研修はミッションを遂行型。災害により孤立した村に食料を届けるための自律型ロボットをプログラミングを使って動かしました。
プログラミングといっても、動作の入ったアイコンを並べるだけ。子どもでもすんなり入れます。
ただ、精密機械とは違い精度がやや悪い。90度回転と入力しても直角に曲がらなかったり、毎回微妙に走路が変わったり、と意外性も楽しめるのです。
最初の課題は一位で通過しました。
昼休みをはさんで二つ目の課題は、急に複雑なコースとなりました。レゴの置物二つを場外に押し出して、対角線上のゴールに行くというもの。
午前中の研修では、直進、回転などといった動きに関するものしか使用しなかったのですが、午後からは線を進むセンサーや、色を認識するセンサーも使用しました。
午前からそうだったのですが、アイコンの説明に関してしっかりしたテキストなんてありません。
ペラリと渡された紙に気づいたことを埋めていかなければならないのです。
午後のコースはレベルが急に上がって難しそうだったので、皆できっこない、と高を括って、昼休みものんびり過ごしていました。
11:45から14:15までシンキングタイムだったのですが、1時間半ぐらいはだらっと過ごしてしまいました。
14:15から一度目の発表会があったのですが、な、なんと撃沈。12名参加者の中で最下位!。うさぎのカメ状態ですね。
2回目のランが14:45。それまでの間に修正を加えてもいいのですが、どこが悪いのかわからない状態。結局、二度目も最下位となってしまいました。
私の後ろの小学生の女の子がいたのですが、昼休みも黙々とパソコンに向かっていました。PC上をちらっと見たのですが、私のものとは違い、アイコンが整然と並んでいます。
その子のランは初回見事クリア。2回目も100点満点中90点、と高得点を叩き出しました。
競技会では赤っ恥をかいたのですが、今回のプログラミング教室を通して、小学校でのプログラミングを有益なものにするためのコツが見えてきました。
今回のプログラミングは7つのアイコンをつなぐものでした。7つのアイコンといえばそれほど多くはないのですが、使いこなすとなると別問題。自分が望む動きに対応するアイコンが思い浮かばないとならないのです。
そこには公式をきっちり理解し、それを使いこなす算数の能力が求めらる、と思います。
ロボットに動きをつけるためには、動きを想像し、一連の流れをアイコンを組み込むことができるレベルにまで分解しなければなりません。
忍耐力も必要なことより、長文を読みこなす国語の能力が必要となります。
動作が多いため、プログラミングはかなり長いものになります。1本の線でつなぐことより、修正している内にぐちゃぐちゃなものになっていきました。
その点、優秀な子のPCモニターは、アイコンが整然と並べられていました。
几帳面な子にはかなわない、と思ったものです。
今回の教室は一つの課題に2時間ほど考える時間がありました。
その間、優秀な子は何度も何度もトライしていました。その点、私は腰が重い上に、待ち時間がもったいない、と思い、試走の時間を多く取ろう、とはしません。
絶対に成功させる、といった思いがあるからこそ、何度もトライしたのだろう、と思います。
プログラミングの授業ですが、どのように進めたらいいか先生も迷っている、とおっしゃっておられました。
これまでの知識をつけさせる授業と違い、考えることが主体、というのが、指導を難しくするんだと思います。
優秀な子に評価を与えると、それ以外の子はその時点で考えるのを止めてしまいます。
ただし、順位付け、といった評価がないと、モチベーションが上がりません。
教育のIT化が模索されているのですが、プログラミング授業こそ、人が教えるのではなく対話型のITが教えるべきではないか、と思います。
人はどうしても、正しい答えを教えたくなります。その点、ITがパートナーだったら、理解するまで腹も立てずに付き合ってくれます。
また、能力に差があっても、一人一人の学習する形ならば問題はありません。
やり方を学ぶことより、成功することのうれしさを学ぶ授業は、これまでの指導方法と異なる方法にしなければならないんだと思います。