7月に入り、北日本新聞のレイアウトが変わりました。新聞を持って読む派なので、今回の変更でお悔み欄が下部から上の方に移ったのは実にありがたい。しかも大きな文字。これ、読者の意見が反映されていると思います。
レイアウト以外にも、独自の記事が増えつつあるのは読者としては読みどころ満載でうれしいです。というものネットに書いてあるような情報は新聞でもスルーしてしまうから。ネットに採り上げられないような、しかも公平性のある情報を新聞から得ることで、多様性に包まれた社会、いや世界を知りたいのです。
さて、今朝の社会面、いわゆる三面記事では、自治体のSNSの人気低迷の記事が載っていました。三面記事に事件性のある話題がないのか、と突っ込みたくなるところですが、そこがまたイイ。
そこでは各自治体のSNSの導入状況に加え、具体的に伸び悩みの意見などが書かれていました。
記事ではSNS伸び悩みに関して担当者の意見に加え、大学の教授のコメントが寄せられていました。
この伸び悩みの原因ですが、そっくりそのままビジネス系にもあてはまる、と思います。
さらに個人的にそれら原因をまとめて背景を探ると、「やらされている感」が漂っているのが問題なんだろう、と思います。
SNSって、閲覧者のとって有益か、面白いか、といった次元で人が集まる訳でして、仕方なく、上から目線で情報を発信したところで、わざわざ見にくる人はいません。
さらに、記事の内容も大切なのですが、それよりも書いている人の顔が見えてこないと、どうも受け入れられません。
ブログやTwitter担当が交代で記事を書いたりしているとキャラがぼやけてしまい無難な情報発信となってしまうのですが、そういった記事はどうも距離があって、どうしても逃げられてしまうのです。
そんな中、成功事例として魚津市が運営する「ミラたんTwitter」が挙げられていました。
さっそく覗いてみたところ、確かに話の持って行き方がうまい、と思いました。ミラたんが書いているように錯覚してしまうことで親しみが生まれ、リツイートされやすくなるのです。
この技、一見、他の自治体でも簡単にパクれそうに思えるのですが、実際のところ、なかなかうまくいかないと思います。
「ミラたんTwitter」がうまくいった理由として
ほどほどの規模の町で住民の出入りが少ない、というのが第一条件。そして街自体が昔の活気を望んでいることが第二条件。第一条件ともからむのですが、ほどほどの規模なのでTwitter担当に裁量が任せられることが第三条件として挙げられます。
なにか鬱々とした閉塞感から脱却したい、と思っているところで、ミラたんが息を吹き込まれ登場した。
街を盛り上げる救世主としてミラたんを象徴化できたことで、昔ながらの住民が一気に立ち上がったのだと思います。
さて、ミラたんのTwitterですが、新聞に採り上げられたことでフォロワー数が1日で90ほど増えました。都会の方にとってはどうでもない数字かもしれませんが、一地方都市のTwitterでそこまで数字を稼ぐことができるのはすごいこと。
自分が運営するSNSをなんとかしたい、と思う自治体や広報担当者が思わずフォローされたのではないでしょうか。
フォロワー数が増えてくると、今度は期待に応えなければならない、と思い、妙なプレッシャーがかかってきます。
ミラたんのTwitterは、変わらず自然体でいてほしい、と願います。