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風間サチコ展から学ぶ 魅力とは何か?

それは一枚のパンフレットから始まった

仕事柄、公共施設にパンフレットが置かれていると必ずもらって帰ります。


最近、この手の仕事はグッと減ったのですが、どうも過去に培った収集癖だけは抜けきらず、会社にはこれまで収集したパンフレットがごっそりあります。

収集の際、時間に余裕があるとパンフレットが差してある棚の中で刺激を受けたものだけ絞って集めてくるのですが、急いでいるときには棚にあるもの全てかき集めてきます。

昔郵便局員が年賀状を一枚一枚棚に仕分けていたシーンを見たことがあるのですが、その逆バージョンでパンフをサッサと素早く一枚ずつ抜いていくイメージ。

中身を見ずに集めているのでどうでもいいパンフもたくさんあるのですが、一度手にしたら捨てられなくなり、こちらも倉庫にしまってあります。

さて、パンフレットの中でも美術館が出しているものはレベルの高いものが多いです。そもそもコンテンツ自体が芸術作品なのでレベルが高い上に、展覧作品の中でもイチオシのものをパンフにする訳ですから、つまらない訳がない。額に入れて飾っておきたいものもあります。

今回かきあつめたパンフレットの中で、黒部美術館で開催される風間ミチコ展も衝撃を受けたものでした。

衝撃を受けたらネットで調べる

カラーのパンフが多い中で風間さんのパンフはモノクロ。一般の人はスルーしてしまうかもしれません。ただ、私は緻密なのに力強いこの木版画にすっかり魅了されました。

さて、パンフ表面の作品「ディスリンピック2680」は作品の一部と紹介されたキャプションがありました。その後、くるりと裏面をめくり、横長の近未来的な作品を見ていました。すると、です。表面の画像と重なる部分があることに気づきました。な、なんとパンフ表面は、巨大な作品の一部分でして、実際は横に4倍ぐらいの迫力ある作品なのです。

パンフ裏面にはディスリンピック2680以外にも、3つの作品が載せられていました。2001,2002年に作られた黒部の風景を刷った作品も力強くていいのですが、2018年のはタッチが全く違っています。この間に風間さんに一体何があったのだろう。作風の変わりっぷりに頭の一部が壊れたのではないか、と疑ってしまいました。

パンフに関する疑問はまだまだあります。表面のタイトル文字は自分で書かれたものなのだろうか。また、あえて切り抜き画像の端の部分を角丸にしたのだろうか。

パンフ1枚ですっかり魅了され、次にネット検索してみることにしました。

風間サチコの窓外の黒化粧

木版画をイメージさせるような黒子ポートレート入り白黒ブログが出てきました。

ブログは頻繁に更新されていて、制作以外に読書や日常生活について書かれていました。

これまで受賞経歴輝かしい芸術家なのですが、雨漏りのする安アパートに住んでいて、雑草にY字郎と名前をつけて可愛がっていること。制作の裏側に古本があることなどが次々わかりました。

読んでいるうちに、その不思議な風間ワールドに益々惹かれ、過去記事ボタンをクリックする手が止まらなくなりました。過去2年のブログを一気に読んでしまう上に、作家さんをはじめ、わからない固有名詞が出てくると調べる始末。何かにとりつかれているように風間さんに惹かれていきました。

続いてYoutube。

府中市美術館の企画展動画を見つけました。美術館がこういった動画をつくってくれるのは実にありがたいです。作家さんにとっても美術館にとっても、芸術をもっと知ってもらうためのうまい活用法だと思います。

上の動画は一番のお気に入りの彫りの動画です。小学生図工でむりやりやらされていた彫刻刀はなかなか彫れなかったけれど、本間さんはスピーディーにシャープな線をつくられます。

魅力とは、わからないこと

芸術作品に限らず、魅力=わからないこと、と自分の中で定義しています。

食で例えるとわかりやすいので、フリーペーパーに載っているラーメンの記事で解説してみます。

写真を見てあるラーメンに興味をそそられたとします。そうなると、味がわからないから行ってみたい、と思う訳です。

実際に食べてみておいしかった、とします。もう一度食べたくなるのは、味がわかったからではなく、味がよくわからないからです。今まで食べたことがないのでどうしたらあの味がでるのかわからない。だから、また食べてみたくなるのです。

何の変哲もないお店なのになんだか惹かれる、というのは、そのお店のどこかにわからない部分が必ずあります。人はわかってしまった瞬間、行かなくなるのです。

世阿弥の風姿花伝に

秘すれば花なり秘せずは花なるべからず

という有名な奥義があります。

この店の味はこんなもんだ、とわかられたしまったら終わり。

そうならないためにお店はお客さんにわかられないように努力しなければならないのです。

さて、本間サチコさんは、わからないところが多すぎてとにかく魅力大です。人としてもわからないし、作品も私の理解をはるかに超えています。

ブログを読んだら理解できるか、と思い、過去の記事をさかのぼるのですが、さかのぼればのぼるほど、もっとわかんなくなります。風間さんは狙っていないのですが、ブログの使い方が実にうまいです。

さて、ナマの作品を見たいので近いうちに黒部美術館に行ってこよう、と思っています。ただ作品を見ることで自分の気持ちがおさまればいいのですが、益々本間ヌマにハマりそうで少し怖いです。

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