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農は過去と未来をつなぐ――田んぼから考えたこと

農は過去と未来をつなぐ――田んぼから考えたこと
宇根 豊著

先日借りた「日本語力をつける文章読本 知的探検の新書30冊」にリストアップされていた本。図書館の新書コーナーに探しにいったのですが、なかなか見当たりませんでした。職員の方に探してもらったら、ジュニアコーナーにありました。どうやら子供向けにかかれた本のようです。

著者は「農業」といった使い方をせず、「農」といい、あえて「業」の語を消し去ります。「農」をビジネスにしてはいけない。

資本主義の導入によって田舎にも「お金」の概念が取り入れられ「効率化」が図られるようになったが、「農」はそんな一面的じゃない!といいます。その後は「農」の「多面性」について詳しく説明されていました。

一番のポイントは「日本人の自然観」。「自然」とは、江戸時代までは「自然にそうなる」の意味で使われてきたのですが、西洋語と合わせているうちに本来の意味からずれてきた。「農」が「農業」へと近代化するに従い失ってきた「自然観」を取り戻そう、と語ります。

「カネ儲けをしたい。偉くなりたい。楽になりたい」を「農」に持ち込むのはよくない、人は本来の心を持つべきだ、と「荘子」の「機心」の引用。

そもそも百姓ってのは、自然と共に生きてきた。それは、稲や米をつくるとはいわず、「とれる」「できる」と言ったところからも説明できる。

などなど。著者の言葉に力があることより、段々引き込まれてきます。著者は、田んぼにいる虫についても研究しています。害虫ばかりではなく、成長を助ける虫もいる。そして、農薬を蒔くことの弊害を唱えます。

著者の考えを皆に理解してもらうのは難しい、と思います。昔の農家は今ほど技術が発展していなかたから、自然と付き合うしかなかった、といった反論が頭に浮かびます。ただ、「農」を「ビジネス」にしすぎることはよくない、という意味はよく理解できました。

そして、世界の中でやや取り残されつつある日本が、次の世代に伝えるものがあるとするなら、「工業技術」ではなく、「日本人の自然観」だろう、と思いました。

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